中国現法の売却を含む不採算事業からの撤退

業種

製造業(電子部品製造販売、金属部品の製造販売)

規模

年商約25億円、従業員数約200名(当時)

状況

不採算部門である電子部品事業が慢性的赤字であることが発覚。借入金もあるなか、資金繰りが厳しく、抜本的な事業再構築を要する事態であった。

スキーム等

不採算状況が明らかとなった電子部品事業につき、「自社製造の完全廃止」を決定。
既受注品の納品と工場の閉鎖という、相反する動きを短期間で済ますために綿密な「撤退計画」の策定から着手した。
この中でネックになったことは「中国現法」の存在。100%子会社であり、同社製品の一部についての製造をする製造工場であり、他社への販売はないことから、「内製工場としての存続」か「完全撤退」の選択を迫られるも、当該現法の財務を調査したところ、債務超過には陥っていないものの、「撤退」となれば中国特有の制度である「経済賠償金」(法律で定められた会社都合退職金)等含めた「撤退コスト」が重くのしかかることが判明。しかし「自社製造の完全廃止」の方針から半端な形での「存続」も合理性に欠けることから、「売却」による現法からの撤退を図ることとした。

結果

国内の工場閉鎖については、地域性も奏功し概ね計画通りに顧客に対する「まとめ生産、納品」が進み、それに応じて段階的に設定した「予定退職日」に合わせて従業員も順次退職し、ほぼ計画通りの閉鎖が実現した。(なお、従業員については再就職支援等もあわせ順次転職を果たしていった)
中国現法についても、候補先が二転三転し、かつ最終的な売却先が現地資本のローカル企業であったことから、厳しい交渉が続くも、概ね想定条件での売却ができ、資金回収も図ることができた。