「民事再生をあきらめた状況」からの完全私的整理と事業再構築による再生
業種
複合業態(各種機器販売、保守、製造、工事請負等)
規模
年商約150億円、従業員数約900名
状況
多額の実質債務超過、過剰金融債務、実質連続営業赤字、資金繰り極めて逼迫
以上の状況から、仮に民事再生手続申立をしたとしても、「黒字化の目処が立たず」「早晩資金繰破綻を起こす可能性が高い」ことから、裁判所から開始決定さえ出ない 可能性も高いことから、申立を断念した直後に本件再生プロジェクトが開始された。
スキーム等
規模も大きく、事業再生に精通した法律事務所、公認会計士が多数そろう会計事務所、VTCコンサルティングが各々の得意分野を担当する形でスタート。
しかしながら関係会社が約20社あり、業態把握さえ困難な状況。さらには多層化された組織は役割と権限も不明瞭、「どこにどんな情報があるのか?」の把握も困難な状況ゆえ、「事業再構築」「資金繰り確保」担当の当社からは8名を投入、データベースレベルからの財務データ、経営管理データの収集(完成された財務諸表からはほぼ実態把握ができない状況であった)と、全国10カ所以上にわたる「拠点」への訪問による「現場の声」の聞き取りからの「事業実態把握」から始まった。
一方で現状の売上及び粗利の内容から「黒字化するためのコスト構造」を試算、徐々に判明していった現場の業務実態から基本方針を「ビジネスモデルの明示化」「マネジメント業務、間接業務の劇的簡素化による大幅な人員削減」、それに伴う「本業外事業の全部売却」と「グループ会社化した企業群の一社統合」に集約、専門家を含む全プロジェクトメンバーで共有し、数回にわたるバンクミーティングで金融団(全メガを含む約10行)との折衝を経て、法的整理を行うことなく、グループの一社を活用した「第二会社方式」をもって「新生企業」としての生れ変りを果たした。
結果
新社長の不退転の決意と強力なリーダーシップのもと、大規模な人員削減を遂行、当社コンサルタントも随所で利害関係者への説明や折衝を行った結果、目立った商圏の毀損も発生せず、計画通りの年商規模を維持しつつ固定費はおよそ1/4まで劇的な圧縮が図れ、瞬時に黒字体質化を達成。
金融債務についても「適正価格」での担保処分が順調に進んだこともあり、非存続会社の清算も果たすことができた。